入札参加資格の教科書 入門編

入札に参加するって、どのようなイメージをお持ちですか?

  • 「手続きが難しそうだし、大変そうだ」
  • 「うちなんかでは、とてもじゃないけど入札なんて参加できないんじゃないかな」
  • 「事務機器を扱っているんだけど、入札なんてあるのかな?」

などなどいろいろなイメージをお持ちかと思います。

このページでは、入札参加資格の入門編として、入札参加資格の種類や登録の方法などについて詳しく解説していこうと思います。

入札参加資格とは?

入札参加資格とはいったいなんでしょうか?

そのままになってしまいますが、入札に参加するための資格となります。

省庁・自治体などの発注機関は、様々な入札案件を実施しており、入札参加資格を持っていると落札した案件を請け負いうことになります。

入札参加の主な業種

入札参加資格は、主に次の表のように分類されており、自社が該当する業種を登録することによって、入札案件を受注できる可能性がでてきます。

※下表は、あくまで一般的な分類となっています。省庁・自治体によってさまざまな名称・区分がなされています。

建設工事

・公共工事といわれる建設工事に関する入札参加資格となります。

・原則として、建設業許可業者で経営事項審査を受けている事業所のみが登録することができます。

物品・販売

・主に官公署への製品の販売を行うための入札参加資格となります。

・事務機器、衣類、精密機械、医療機器、日用品、印刷物など販売する品目は非常に多いですし、自治体ごとに種類は様々です。

役務(業務委託)・保守管理

・役務は一般的に業務委託にあたる行為を行うための入札参加資格となります。システムの構築や翻訳、調査、人材派遣などの種類があります。

・施設や設備、機械の管理や保守を行います。昇降機・エスカレーター・各種設備などの保守・管理などがあります。

測量・建設コンサルタント等業務

・都市整備事業の立案から構想・計画段階での検討業務、さらには地盤・地質調査や環境評価業務、設計業務、施工監理、維持管理業務などが主になり、取得している登録業種によって、入札に参加できる業務が異なっています。

・測量業登録、建築士事務所登録、建設コンサルタント登録、地質調査業登録、補償コンサルタント登録などの登録業者が対象となります。

省庁・自治体などの入札に参加するためには、参加したい業種について、事前に入札参加資格を取得しておく必要があるということになります。

省庁・自治体は、入札業者を選定するために、入札参加資格要件を設定しています。

そのため、事前に会社情報や納税証明などの必要書類を添えて入札資格を申請し、参加資格要件を満たしていることを証明する必要があります。

申請内容に不備がないことが確認されれば、発注機関の入札参加資格者名簿に登録されます。

入札参加は、企業規模・資本金・業務実績などをもとにした審査で、省庁・自治体と取引をする業者としての名簿登録のようなものです。

入札参加資格審査ができない場合

省庁・各自治体はそれぞれ、入札参加資格の要件を細かく取り決めています。

次のいずれかに該当するような場合、入札参加資格審査を申請することができません。

事業税、消費税又は地方消費税の滞納がないこと。

入札参加を希望する場合、税金に未納がないことが要件となります。

多くの入札参加資格の申請時には各種納税証明を添付して、滞納がないことを証明します。

  • 消費税・地方消費税の完納証明
  • 都道府県税の完納証明
  • 市町村民税等の完納証明書 など

欠格事由に該当しないこと

以下に掲げる項目に該当する場合は、欠格事由に該当し、入札参加資格審査を行うことはできません。

1.       破産者で復権を得ない者

2.       成年被後見人

3.       被保佐人であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者

4.       民法第16条第1項に規定による契約締結に関する同意権付与の審判を受けた被補助人であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者

5.       営業の許可を受けていない未成年者であって、契約締結のために必要な同意を得ていない者

6.       契約の履行にあたり故意に工事若しくは製造を粗雑にし、又は物件の品質若しくは数量に関して不正の行為をした者

7.       公正な競争の執行を妨げた者又は公正な価格を害し若しくは不正な利益を得るために連合した者

8.       落札者が契約を結ぶこと又は契約を履行することを妨げた者

9.       監督又は検査の実施に当たり職員の執行を妨げた者

10.   正当な理由がなくて契約を執行しなかった者

11.   経営状況が著しく不健全であると認めれれる者

12.   入札参加資格審査申請について虚偽の申請をし、又は重要な事実について記載しなかった者

建設業許可・経営事項審査を受審していること(建設工事)

「建設工事」に関する入札参加をしたい場合は、建設業許可を保有し、経営事項審査を受審していることが要件となります。

また、「業務委託・建設コンサルタント業務等」に入札参加したい場合にも、参加したい業種の登録(測量業登録、建築士事務所登録、建設コンサルタント登録、地質調査業登録、補償コンサルタント登録など)を保有している業者である必要があります。

入札の発注機関

入札を発注する機関は、国の機関と地方自治体があります。

その他にも、UR都市計画再生機構や大学・病院などの独立行政法人も発注機関となります。

それぞれの機関や申請業種によって、入札参加資格審査の時期や申請方法、窓口などが異なっています。

等級と待期期間について

入札参加資格を取得さえすれば、すべての案件に入札参加できるのでしょうか?

省庁・自治体によっては、入札参加資格審査の際に、各企業をランク分けし、そのランクに応じて入札参加できる案件を区分けする場合があります。

発注機関によって、等級・格付など名称は異なりますが、等級を設けることによって、各企業の規模に応じた案件を受注できるようになっています。

また、入札参加名簿に登録されてから、〇年は入札に参加できない待期期間を設けている省庁・自治体などもあります。

入札参加資格の申請の流れ

入札参加資格は、省庁・自治体ごとに申請時期や申請方法が異なります。

次の流れにそって、自治体ごとに入札参加資格審査はサイクルしていくことになります。

1.入札参加資格審査の新規申請 ※自治体の定めた申請期間に手続き
2.入札参加資格者名簿に登録
3.入札参加資格審査の更新申請 ※自治体の定めた更新の期間内に手続き
4.入札参加資格者名簿に登録

新規申請を行い、「入札参加資格者名簿」に登録された後は、自治体の定める有効期間の満了前に、自治体が定める期間内に更新手続きを行うことで、継続的に「入札参加資格者名簿」の登録業者となることができます。

申請時期

申請の時期については、各省庁が定める時期に申請を行なうことになります。

多くの省庁・自治体では、一定の期間内に申請を行なう「定期受付」によって、新規申請や更新申請を受け付けています。

一年中いつでも申請が可能な「随時申請」を行なっている省庁・自治体もあります。

定期受付

・省庁・自治体ごとに申請時期や申請方法を定めています。

・有効期間は、1年、2年、3年、4年など様々ですが、有効期間が切れる前に更新申請を行なうことになります。

随時受付

・常時、申請窓口がある省庁・自治体の場合は、一年中いつでも新規申請を行なうことができます。

中間申請

・有効期間の中間年などに、追加で新規申請を募集している省庁・自治体などもあります。2年ごとの新規申請ではあるければ、その中間年に、追加の新規申請を募集する場合などがこれにあたります。

申請方法

申請方法についても、省庁・自治体ごとに取り決められています。

持参

・申請者が、省庁・自治体に直接おもむき、申請書類一式を直接提出する方法です。

郵送

・申請書類一式を郵送で提出する方法です。

電子申請

・省庁・自治体の入札参加システムによる方法やメール添付などで申請書の提出を行います。

電子申請については、都道府県と道府県内の市町村を一括で電子申請ができる共同受付による電子入札システムなども最近増えてきています。

有効期間

省庁・自治体によって、有効期間や更新の時期は異なっています。

一度、入札参加資格を取得しても、更新をしないと資格は失効します。

更新漏れによって、いったん資格が失効してしまうと、再度登録がなされるまでの期間、入札に参加できなくなってしまい、大きな機会損失・損害発生のリスクを生じてしまいます。

また、更新申請の受付期間についても、申請期間が2週間程度など非常にタイトな省庁・自治体などもあったり、更新の申請時期や申請期間が変更されることなどもあります。

申請漏れ、更新漏れがないように、企業としては細心の注意が必要であると思います。

まとめ

入札参加資格は、要件を満たすことによって、全事業者が取得することが可能です。

ですが、あくまでも入札参加資格は、省庁・自治体と取引できる資格を手に入れたにすぎません。

その後も継続して更新手続きを行うための事務処理、入札を受注するためには企業努力も必要となります。

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入札参加資格審査以外のその他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。

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