入札参加資格の取得を失敗しないためには、次のような流れで進めていく必要があります。
次の通りに確認していくことにしましょう。
1.入札参加を希望する自治体を決める
入札に参加するためには、入札に参加したい自治体の「入札参加資格」を取得し、入札業者となっておくことがまずは第一となります。
どこの自治体に参加したいのか?をまずは第一に決定することになります。
多くの自治体では、自治体内に事業所があるのかどうかで区分されることも多いです。
たとえば、京都府では「府内業者」と「府外業者」に大きく分けられ、入札参加資格申請に必要な書類や様式なども異なっています。
一般的には、自治体が指名する入札業者もまずは自治体内に事業所がある業者を優先することも多いので、最優先で登録すべき自治体であるとは思います。
多くの自治体では、自治体内に事業所がある業者なのかどうかや工事なのか役務なのかなどの種別で区分されていますので、自社が参加したい登録が何であるかを確認しましょう。
たとえば京都府であれば、次のようにに分けられています。
2.登録する種別を決定する
多くの自治体では、入札参加の登録種別を区分しており、建設工事、測量、建設コンサルタント、物品の販売、役務の提供などに区分されています。
自社の事業がどの登録種別に該当するのかを決定することになります。
ただし、一つに絞り込む必要はないので、該当するのであれば複数の登録種別に入札参加資格を登録することも可能です。
例えば、昇降機の工事、昇降機の保守管理、昇降機の部品等の販売を行っている会社であれば、「建設工事」「役務の提供」「物品の販売」などに登録することが可能な場合もあるでしょう。
ちなみに京都府では、下表のように登録項目を区分しています。
京都府の区分
府内業者 | 府外業者 |
---|---|
建設工事 | 建設工事 |
測量等業務 | 測量等業務 |
物品又は役務の提供 | 物品又は役務の提供 |
3.登録に必要な許認可や資格、売上実績を確認する
許認可・資格
入札に参加したい自治体の登録種別が決まったら、必要な許認可と在籍が必要な国家資格者などを確認します。
代表的な許認可や国家資格者は次の通りとなっています。
建設工事 |
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測量等業務 |
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役務の提供(許認可) |
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役務の提供(国家資格) |
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売上実績
実績については、はじめて入札参加資格を取得する際には、官公署の発注した受注実績などはないことのほうが多いと思いますが、民間であっても受注実績は非常に重要となります。
受注実績は登録種別ごとの売上高も重要視されることも多く、また他の入札参加業者が行っていない特殊な工法や技術などがあれば、他の入札参加業者に優位に立つことができるでしょう。
4.入札参加資格審査申請の受付期間と有効期間を確認する
入札参加資格は、各自治体ごとに受付期間を設定しています。
自治体によって、受付期間は2週間~数カ月など様々です。
また、入札参加資格の有効期間も様々で1年~4年などこちらも様々となっています。
入札に参加したい自治体の有効期間と受付期間を把握することは非常に重要であると思います。
最初に登録を希望する際は、受付期間がいつなのかを確認し、有効期間経過後の更新登録の際には、受付期間と有効期間の期限管理に注意しましょう。
5.申請書類を作成し、添付書類を収集する
入札参加資格申請に必要な書類は、自治体ごとに様々ですが、主に以下の書類などが必要となっています。
また、下表に主観点という項目がありますが、主観点とは、地域における実績、地域貢献などを自治体が独自に審査する項目で、これを達成した事業者に加算される点数のことをいいます。
入札参加資格審査申請書 | 自治体ごとに、また、種別によって様式が定められています。
最近は電子申請を採用する自治体も多く、ネット上で記入したものがそのまま送信されるものやダウンロードして郵送で提出などさまざまです。 |
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履歴事項全部証明書 | 法人であれば、履歴事項全部証明(いわゆる登記簿謄本)を添付します。多くに自治体で3カ月以内の発行のものなどの有効期限が定められています。 |
使用印鑑届 | 実際に入札参加資格を取得した後に、入札参加の際に使用する印鑑を届け出ておくことになります。 |
印鑑証明書 | 申請書に押印する実印の印鑑証明書を添付することになります。
最近は電子申請も増えてきたため、添付する機会も減ってきています。 |
誓約書 | 反社会的勢力でないことの誓約書や欠格自由に該当しないことの誓約書など、自治体ごとに様々な誓約書の提出が必要となります。 |
納税証明書 | 国税(法人税)を滞納していないことの証明や都道府県税・市税などを滞納していないことの証明などの提出を求められることが多いかと思います。
もちろん、滞納している状態では、入札参加資格を取得することはできません。 |
社会保険・労働保険の納付証明 | 法人であれば社会保険の加入は必須となっています。
社会保険未加入の法人は、入札参加資格を取得することはできません。 従業員がいる場合には、労働保険の加入が必要となりますので提出が必要となります。 |
その他の書類など | 自治体ごとに様々な主観点を設けていることも多く、下記の活動を行っているような場合、該当する書類を提出します。
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6.入札参加資格申請を行う
自治体によって、持参、郵送、電子申請などの申請方法が設定されています。
自治体の定めた申請方法で行いましょう。
7.入札参加資格の維持管理
入札参加資格申請を行い、希望する自治体に入札参加業者として登録がなされた後も以下の事項に注意しながら、入札参加資格を維持管理していくことになります。
- 入札参加資格が失効しないように有効期間や更新時期の維持管理を行う。
- 自治体のHPなどの入札案件情報はこまめにチェックする。
- 技術者の変更や役員の変更などの変更事項などがあった場合は、変更届を行う。
8.総まとめ
失敗しない入札参加資格のために、次の点に注意しましょう。
自治体の選別
自治体は、原則として地元の業者を優先します。
事業所がある自治体への登録をまず第一に考えましょう。
業務種別
自社で行っている事業内容に応じて、参加した種別を選定しましょう。
売上実績
過去の売上実績や特殊な工法や技術がある事業者は営業実績は自社の強みとすることができます。
期限管理
入札参加資格が途切れないように維持管理を行うことは非常に重要です。
多くの自治体への入札参加資格を取得している場合などは、管理表を作成し資格の失効などがないようにしましょう。
9.専門家への依頼の検討
入札参加資格審査を自社で行い場合には、次のような問題点が発生することが多くあります。
- 入札参加資格申請に必要な書類の作成や収集に非常に時間がかかってしまう
- 申請方法や申請時期の管理や変更に、自社の担当者が対応できない
- 担当者の人事異動や退職で入札参加資格の管理ができなくなってしまった
- 入札参加資格の数が増えてきたため、自治体ごとの入札参加資格の管理が難しくなってきた
自社で入札参加資格の申請や維持管理が難しいとお考えの事業者様は専門家への外注についてご一考いただいてもよいかもしれません。
専門家を選ぶ際にチェックすべきポイント
入札参加資格を代行できるのは行政書士となりますが、入札参加資格についての専門知識があるかどうかを確認する必要があるでしょう。
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ひかり行政書士法人が選ばれる理由
ひかり行政書士法人は、入札参加資格審査の申請代行を行っていますが、数件の入札参加資格をお持ちの事業所様から1000件以上の入札参加資格をお持ちに事業所様まで、幅広くサポートしています。
年間700件以上の申請件数
入札参加資格の新規登録・更新登録・変更登録などの諸手続きを通年でおおよそ700件以上行っています。
様々な自治体へ様々な事業所様の入札参加資格申請をサポートしています。
専門スタッフの在籍
個人事業での一人事務所なども多く、コンプラインアンス、申請内容のダブルチェックなどに不安を感じる事務所もあるかと思われます。
ひかり行政書士法人は法人形態で、複数の専門スタッフが入札参加資格を維持管理しています。
期限管理
顧問契約をご依頼いただくと、入札参加の維持管理についてサポートいたします。
入札参加資格の新規登録・更新登録についてのスケジュール管理・申請を行い、変更事項があった場合にも申請を行います。
ひかり行政書士法人と事業所様のダブルチェック体制で入札参加資格の失効などを防ぎます。
適正価格
入札参加資格の件数が非常に多い事業者様には、報酬単価が軽減するような料金体制となっています。
顧問契約をご希望の場合にも、一個の申請に対する報酬単価はさらに下がる形をとっておりますので、個別にご相談いただければと思います。
各種許認可申請について
入札参加資格審査以外のその他の許認可申請についてお調べの方は、ひかり行政書士法人の総合サイト「許認可.net」もぜひご覧ください。
入札参加資格審査についてのお問合わせ
ひかり行政書士法人では、入札参加資格審査についてのご相談や入札参加申請サポートのお申込みについて、お電話・メールでのお問合わせを承っております。
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